この本のコンセプトは、「なるべく日常会話で使われる英単語をマスターすること」、コレに尽きます。TOEIC860点には一万語が必要だと紹介されていますが、なかなか一万語をマスターするのは厳しいですよね。そんな気持ちを楽にしてくれる英会話の極意本がこちら。
「やさしい単語で話し、やさしい単語を聞き取れるようになる」
会話ドラマといえばSATC (SEX and the CITY)の世代のこあらです。この本ではSATCの話から始まります。もうワクワクが止まらない!
セックスアンドザシティ(SATC)は、1998-2004年にかけ6シーズン放送され、映画もヒットしました。
このドラマの中には一万語を超える単語が出てきます。こう聞くとやっぱりドラマを理解するにはかなりの数の単語をマスターする必要が…となりますが、なんと5000以上の単語が全6シーズンでたったの一度しか登場しないらしい!
会話には前後の文脈というものがあるので、たとえ知らない単語でもある程度は推測できることを考えると、意外となんとかなるかも?という気にさせてくれます。
さらに単語の登場回数で比重をつけると、約2%ほど、つまり50個単語を聞いたら1つくらいが頻度の少ないレア単語、だそうです。
50回に1回ならなんとかなる?
一方で、逆に頻繁に登場する(10回以上使われる)ものは92%、つまり100回単語を聞いたらそのうち92回を占める、というではないですか!
その単語数、約二千。「ターゲット1900」って覚えてます?高校生の頃にお世話になりました。この本と同じくらいの単語数で9割をカバーできるとのこと。
さらにもっと頻繁に登場する(100回以上使われる)ものに絞ると、それでも約80%を占めます。そう、これがタイトルにもなった350という単語の数の根拠です。たった350単語で、8割を占める。
理系嬉しいポイント:ちゃんと別のドラマでも検証している
「セックスアンドザシティ」と並んで英語を学ぶドラマといえば「フレンズ」です(ちょっとこあらより上の世代はみんなフレンズだった)。こちらも同様に計算され、350個の単語で81%をカバーしていることが検証されています。
ということは、特別SATCが偏った英語しか使わない、というのは成り立たないだろうと考えられます。
本書が目指すのは「高いリスニング力+そこそこのスピーキング力」
スピーキング力から上達させるのがおすすめと紹介されています。
「そこそこ」で良いからこそ、350単語で良いということになります。
4つのレベル(スピーキング)
- 1秒で考える、1秒英作文で瞬発力が養われる。
- 次に1秒Q&Aで会話が成り立つようになる。会話にリアリティが生まれる。
- 自分フィルター英作文(主観+事実)
よくわからないことにこそ、言葉が生まれる。
海外ドラマはたった350の単語でできている
“This is a pen.”なんて会話はなかなかないけれど、”I don’t know if this is his pen.”ならありそうですよね。
心の動きを復文で言えるようになることが3つ目のステップ。
ジブリの映画でどれくらい自分フィルターの英文が登場するのか、というコラムなど、日本人が馴染みのある、かつ興味深い例が多いのがこの本の面白いところ。
おそらく、シェークスピアで同じ統計が出てもそんなに心は踊りません。(少なくとも🐨の場合は)
- 最後のステップ4は「おもいやりのフレーズ」。いわゆる挨拶などの決まった言葉です。”Here you go (モノを渡すときのどうぞ)”などのお決まりの言葉になります。
ドアを譲るときも「どうぞ」だけど、”After you”だね。これもおもいやりのフレーズで、まるっと覚えるしかない。
4つのレベル(リスニング)
「海外ドラマを繰り返し観て、聞き取れるまで何度も繰り返す…?」
良く聞く勉強法だね…
この本では、バッサリ、「聞き取れないものは、何度聞いても聞き取れない」
とまるで読者の心を見透かすかのように代弁してくれます。うん、だんだんレベルが上がっていく英語本は多いけど、この本は読者を置いてけぼりにしない優しさがある!
- 語彙・文法力
- 瞬間理解力
- 音を聞き取る力
- ディクテーション
「読めばわかるけど聞き取れない」という人はいても、「聞けばわかるけど読めない」という人はまずいません。
海外ドラマはたった350の単語でできている
ここでの学びは、フォニックスという1つ1つのアルファベットの特有の音を理解する、という勉強法。
そしてディクテーションで音を理解する&とにかく慣れる、ということです。
よし、次の本はフォニックスを学ぶことにしよう…
最後におすすめのジブリ映画・ディズニー映画・海外ドラマのランキングがあります。
きっとお気に入りの教材が見つかりますね。
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