会社員をしながら漫画を描いています。
電子書籍を出して、街の本屋さんにも並んだ。もっと面白いことを書きたいし、もっと表現が上手になりたい。
でも正直なところ、会社員兼業漫画家はジレンマの連続です。

時間はない。書けないことがある。専業の人には量でかなわない。
でも10年ほど続けてきて、最近ようやく思うんです。仕事があるからこそ描けるものがある、って。
まず本音:仕事×創作のジレンマ
時間がない。 仕事が忙しいと、週末しか筆を持てない時期も普通にある。専業で創作している人の出力量には、どう頑張っても追いつけない。
書けないことがある。 会社の話はもちろんNG。具体的なエピソードをそのまま使うことはできないし、利益相反のラインは常に意識しないといけない。
これは制約で、間違いなくそう。



「もし自由に全部書けたら…」って思う瞬間、あります😇
でも、仕事が「引き出し」を増やしてくれる
ここからが本題。
仕事をしていると、人に会う。たくさん。外資系で働いているのもあり、それがグローバルになる。国籍も価値観もキャリアもまったく違う人たちと、毎日仕事をすることになる。
この経験が、創作のキャラクターに直接効いてくる。
「こういう考え方をする人がいるんだ」「この文化だとこんな反応になるのか」——仕事の場でないと出会えなかった人たちが、フィクションの登場人物にリアリティを与えてくれる。
ちょっと寄り道。「カルチャーマップ」という本が面白い
グローバルな環境で働いていると強く実感するんですが、同じ状況でも国によって受け取り方がまったく違う。「はい」が「NO」の意味だったり、最初に「NO」と言う人が実は一番柔軟だったり。
INSEAD教授のエリン・メイヤーが書いた「異文化理解力(カルチャーマップ)」は、そういった文化の違いを8つの指標で可視化した本です。
コミュニケーションの取り方、フィードバックの仕方、信頼の築き方——これが国ごとにこんなに違うのか!という驚きが詰まっています。グローバルな環境で働く人はもちろん、漫画のキャラクター作りにもめちゃくちゃ使えます。
実は、「専業になりたい」わけでもなかった
ここで少し情けない話。有給休暇を取得して、さあ創作に打ち込もう!と準備しても身が入らない。
仕事の合間の創作が楽しいのでは?と気づいたのです。
完全な自由はかえって不自由だと言われるように、創作に専念できる環境になるとかえってプレッシャーになるのかもしれません。
あと、なんだかんだで本業も好きなんですよね。創作に満足すると今度は仕事を頑張りたくなる。
これが移り気で飽き性な自分の悪いところです。
「専門×雑多」という棲み分けが自然とできてきた
いろいろ手を出すのも面白いんですが、やっぱり「〇〇の人」という印象を持ってもらえると、信頼してもらいやすくなる。声をかけてもらいやすくなる。仕事も動きやすくなるし、創作にも深みが出る。
だから今は自然と、本業は専門を深める、趣味は雑多に広げるという棲み分けになっています。本業の専門性が「軸」になって、趣味の雑多な経験がその軸に彩りを加えてくれる。
まとめ:ジレンマは消えないけど、武器になる
仕事×創作のジレンマは、消えません。たぶんずっとある。本業と創作ががっつり噛み合う人も居ると思う。でも自分みたいに、本業は本業、創作は創作、と棲み分けた方が良い人も多いんじゃないかな。
時間が限られているから、1本1本に集中できる。書けないことがあるから、抽象化・普遍化が上手くなる。仕事で世界が広がるから、描けるキャラクターの幅が増える。



専業の人には量も質もかなわない。でも、あなたにしか描けないものが、仕事の中に眠っている。











